黃金奇異果

温帯と亜熱帯のあいだ

小豆島に行ってきた

先月半年ぶりの一時帰国に、小豆島に行ってきた。前回大学の友達らときたのが2017年なので、6年ぶりということになる。

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さいころは毎年夏休みになったらおばあちゃんと小豆島に帰ることを、本当に何よりも楽しみにしていた。

 

大部港から車で二十分くらいの小さな集落にあるばあちゃんの家。ごっつい大理石やらが庭にゴロゴロ転がっているのが目印のその家は、床も傾いているし、外壁の木材は島の潮風にやられてボロボロに捲れ上がっているし、納屋にはあちらこちらに蜘蛛の巣が張っているのだが、いつも僕は「小豆島の別荘」と自慢げに人に話していた記憶がある。

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小学校の夏休みの自由研究にも、小豆島の別荘のポットン便所や五右衛門、黒電話を写真に撮って「田舎暮らし」の様子をレポートにしたこともあった。

 

小学校高学年以降はめっきり小豆島に行くことはなくなってしまったが、どこか頭の片隅にはいつも小豆島の風景があったし、いつかは暮らしてみたいという思いもぼんやりとあった。

 

都会暮らしだから田舎の生活に憧れるという側面もあるかもしれないが、それよりも、「自分のルーツ」であるという点でより強い思い入れを感じていたのではないかと今になって思う。

 

今回、「旅行」として小豆島に行ったのは2度目だが、自分でレンタカーを運転して島を巡ったのは初めてだった。

 

潮の香りを嗅ぎながら波音に耳を傾けながら、ただぼさっと海を見てるだけで、その打ち寄せては引いていく波が、心に積もった塵や瓦礫をきれいにさらっていってくれる、そんなような気がした。

 

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いつかまた、小豆島に帰るようになる日が、来ても良いかもしれないなとひそかに思っている。